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瑞月さまから頂きもの『ラブ・レター』

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コメント

1. 春が待ち遠しいですね♪
藍さん、こんにちは♪

瑞月さんの素敵なお話私もおこぼれに預からせていただきました(*^^*)

春へと近付くこの季節にぴったりのお話ですね。二人のおややが産まれるのも待ち遠しく感じて幸せをお裾分けしてもらった気分です。

そして母さまの瑠璃への手紙にジーンときました。自分が長く生きられないことを知って書いた手紙に込められた想いは瑠璃と高彬にしっかりと届いて二人の子供へと受け継がれていくのでしょうね(^^)

まさにラブ・レターですね!

心温まるお話にほっこりさせていただきました(^-^)v
茜さま
茜さん!こんにちは~!!
お返事が遅くなってごめんなさい。

瑞月さんのお話、本当に素敵ですよね~!!
読んだ時に感動で足が震えましたもの。
ブログを再開してよかったなぁと心から思いました。

母さまの瑠璃への手紙は私も胸を打たれました。
どんな気持ちでこの手紙を書いたのだろうと考えるだけで涙が・・・。
自分が母親になってからはなおのこと、母の子を想う気持ちに激しく感情移入してしまいます。

そして温かく受け止める高彬の優しさにもうもうもう!!!
さすが我らが高彬ですよね~♪

コメントありがとうございました!また遊びに来てくださいね♪

ただいまコメントを受けつけておりません。

瑞月さまから頂きもの『ラブ・レター』

「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ の 瑞月さまからブログ再開記念の贈り物をいただきました。

愛と涙と感動が詰まった素敵な作品に
 
ブログを再開してよかったなぁ

と、改めてしみじみ思いました。

瑞月さん、本当にありがとうございます。

それではそれではみなさま!!
つづきを読む、からどうぞ!!!!!!



「ラブ・レター」

 

「おかしいわねぇ、この辺りにあると思うんだけど・・・」

寝殿の塗籠の一隅で首を傾げると

「姫さま、お探しになるのはまた後にして、とりあえずいったんはお休み遊ばされて・・・」

小萩がオロオロと横から声をかけてきた。

「うーん・・・、あるとしたらここしかないんだけど・・・」

「姫さま、お願いでございますから・・」

「あ。・・もしかしたら、あれかしら?」

高いところにある木箱を指さすと、小萩は(ひいっ)と喉の奥で声を上げ、そうして

「まさか、あれをお取りになるだなどとおっしゃらないでくださいましね」

「やぁねぇ、さすがにあれはあたしには届かないわよ。おまえが下で台になってくれるって言うんなら話は別だけど」

「・・姫さま!」

「冗談よ、冗談」

手をひらひらと振って見せると、恨めしそうな顔で小萩はあたしをじとっと睨み

「姫さま、どうかどうか、くれぐれもお身体を大切になさって下さいませね。姫さまの身に何かありましたら、わたくし、殿にも高彬さまにも合わせる顔がありませんもの。合わせる顔どころか、この三条邸にだっていられませんわ。いえ、都にだって住まうことなど出来ません。放浪の身となり諸国を流れ流れて、行きつく先は東国の荒れ地、きっと着の身着のままで人知れず朽ちていくのですわ・・・」

「ちょ、ちょっと、小萩。泣かないでよ、飛躍し過ぎよ。ほら、部屋に帰るから」

涙目になっている小萩にぎょっとして慌てて言うと、小萩はケロッとした顔に戻りにっこりと笑うと

「では、戻りましょう、姫さま」

あたしの背を押さんばかりにして、塗籠の戸を引いた。

「・・・」

なんだ、泣き真似だったのね。

小萩も最近、誰に似たのか小芝居が上手くなっちゃって・・・

前を歩く小萩に何か文句でも言ってやろうかと口を開きかけ、ふと、庭の桜の枝が目に入り、言葉を飲み込む。

冬晴れの青い空に、伸ばした枝が良く映えている。

十日前より蕾は大きくなっていて、桜の木は花開くその瞬間へ向け、密やかに、だけど確実に準備を進めているようだった。

春はもうすぐやってくる───

 

*******

 

「ふぅ・・」

大きなため息をつきながら腰を下ろすと

「姫さま、横になられますか?寒くありません?白湯でもお飲みになられます?」

小萩が纏わりつき

「そう、矢継ぎ早やに言われたら返事も出来ないわよ」

あたしは(やれやれ)ともう一つため息をついた。

あたしの懐妊がわかってからの三条邸の狂騒と言ったら、もうそれだけで壮大な物語が書けそうなほどで、今、巷で流行っている『源氏物語』にならって『三条物語』とでも題して、皆に読んで欲しいくらいだった。

ま、何の参考にもならないだろうけど。

大騒ぎした筆頭は、もちろん言わずと知れた我が夫、高彬だったわけで、次いで母上、父さま、小萩と続き、あとは愚弟の融やら、どういうわけだか煌姫もえらく親身になってくれて、密かに煌姫の友情に感動していたら、どうやら煌姫の目的は他にあったみたいで、何のことはない、あたしの御ややを

『次期パトロン』

と思い定めてるみたいだった。

ほんと、相変わらずな人ではあるわけよ。

しかも、あたしの方が先に死ぬって決めてる、その設定がすごい。

「少将さまも、もうじきいらっしゃいますわ」

小萩は円座を用意しながら言い、他に手抜かりがないか、部屋の設えにおかしなとこがないかをチェックしている。

小萩ったらどんどん女房のプロになってきちゃって、頼もしいと言えば頼もしいし、ちょっとあたしも押され気味なのも事実だったりして、負けてられないわ、なんて思ったり・・・。

こういうのを切磋琢磨って言うのかしらね。

この分なら、御ややが産まれたら小萩も相当、張り切ってくれるはずだし、ありがたいやら、ちょっと気が重いやら。

ほら、小萩もちょっと変な方向に頑張っちゃうところがあるって言うか・・・

───なんてことをこもごも考えていたら、東門の辺りがざわめいて、少しすると高彬が現れた。

慣れた仕草で扇を使って御簾を持ち上げると、するりと簾内に入ってくる。

にっこり笑い、回りに女房がいないことを確認すると、あたしのお腹に向かって

「ただいま」

なんて少し恥ずかしそうに声をかけ、顔を赤らめた。

高彬いわく、父上になる予行練習をしているらしく、あたしとしては微笑ましく思いつつ、高彬って可愛いなぁ・・なんて思ってしまう。

あたしは日に日に身体が変わってきてるから黙ってても母上になる実感みたいなものがあるけど、男の人だとそういうわけにもいかないから、やっぱりこんな風になるのかな、なんて感じで。

「ねぇ、高彬。帰ってきていきなりで悪いけど、ちょっと取ってもらいたい荷物があるのよ。塗籠の高いところにあって届かないの」

さっきの木箱を思い出して言うと

「塗籠って言うと、例のあの荷物かい?」

「そうなの。いくら探してもないから、多分、あれじゃないかと・・」

「いいよ。教えてくれたら見てくるから。瑠璃さんはここにいなよ」

「ううん、あたしも行くわ。ちょっと口で言っても判らないと思うから」

高彬と手を繋ぎながら、ゆっくりと寝殿の塗籠へと向かう。

「桂の尼君もねぇ、もう少し詳しく覚えていてくれたら良かったんだけど・・・」

渡殿を歩きながら思わずぼやくと

「仕方ないよ」

高彬は笑いながら頭を振った。

「絶対にあるのは判ってるんだから、探し出せばいいことだよ」

「・・うん」

あたしの懐妊が判って少し経った頃、珍しく桂の尼君がこの三条邸にやってきたのだ。

そうして尼君が言うには<御やや育児道具一式>とでも呼べそうなものが、寝殿の塗籠に保管されていると言う。

それは、今は亡きあたしの母さまが、あたしや融のために使ったものらしくて、あたしたちが成長して使わなくなった時、乳姉妹だった尼君と一緒に塗籠に仕舞い込んだ、と言うことだった。

育児道具なんて、張り切ってる父さまや高彬がピカピカの新品を揃えてくれる予定だったけど、でも、それを聞いたらやっぱり気になるじゃない。

使うか使わないかはともかく、見てみたいって言うか。

それで、色々、探してるんだけど、うちも貢ぎ物だの家財だの、なんやかやと荷物が多いみたいで、なかなかお目当てのものが出てこないのだ。

「あれよ、あの高いとこにある、右側の」

背伸びした高彬が木箱を下ろし、足元に置いた。

かなり年季の入った木箱で、もう長いこと開封されていないのか、うっすらと埃をかぶっている。

高彬がそっと蓋を持ち上げると、中には小さな太鼓や毬が入っていた。

「きっとこれだわ。良かった、やっと見つけたわ」

埃を吸い込まないように気を付けながら中を確認すると、下の方には産着やお包みも入っていて、ひとつひとつ取り出しながら見て行くと、蓋に桜の花びらをあしらった螺鈿細工の箱が出てきた。

「何かしら・・・」

持ち上げて蓋を取ると、中にはお文が入っている。

高彬に小箱を持ってもらい、お文をはらりと開くと───

 


瑠璃へ。


このお文を読んでいるということは、あなたは母となったのですね。

まずはおめでとう。

御ややはまだ、お腹のなかでしょうか、それとも、もう産まれているのでしょうか。

あなたが母になる姿を見てあげられない事、とても申し訳なく思っています。

でも、きっと元気な瑠璃のこと、上手に御ややを育てていくと母さまは信じています。

父上となる方は、どんな殿方なのでしょう。

瑠璃のことをよろしくお願いいたします。

利かん気の強い子ですが、いい子です。

どうか仲良く、2人で力を合わせて御ややを育てて行ってください。


母さまより

 


お文はそこで終わっており───

あたしも高彬も何もしゃべらず、気が付いたらあたしは泣いていた。

大粒の涙が頬を伝い、ぽたりぽたり、と床に落ちて行く。

(母さま・・)

声が出ないように唇を噛みしめる。

「ぼくはきっと・・・」

「・・・」

「きっと、一生かけても、瑠璃さんにこんな・・・これほどの愛情の籠った文は・・・書けないよ・・」

そう言う高彬の声も湿っていて、あたしは今度こそは顔を覆って泣いてしまった。

「母さま・・・」

後から後から、とめどなく涙が溢れてくる。

母さま、ありがとう。

あたし、がんばって御ややを育てるわ。

優しい夫や、頼りになる女房や、ちょっと変わってるけどいい友だちもいるから、あたしは大丈夫。

母さまはあたしたちのことなんか気にせずに、浄土でのんびりと過ごしてもらってたらいい・・・

あたし、ずっとそう思ってたの。

今だってそう思ってる。

だけど───

だけど、今日だけは言ってもいい?

あたし、母さまに会いたい。

夢の中でもいいから、瑠璃に会いにきてよ、母さま。

会いたいの。

母さまにアンコール(今、ひとたび)───

泣きじゃくるあたしを、高彬はそっと抱きしめてきた。

何度も何度も頭を撫ぜ、言葉もなく頷いている。

高彬の腕の中は暖かかった。

どこからか鳥のさえずりが聞こえてきて、春の日を迎えるための練習みたいに何度も何度も鳴いている。

桜の蕾も、今日よりも明日、明日よりも明後日と日に日に大きくなっていく。

皆、春に向かって準備をしている。

泣いてる場合じゃありませんよ、瑠璃。やらなければいけないことがたくさんあるでしょう──

そう言う母さまの声が聞こえた気がして・・・

高彬の腕の中で、あたしはそっと涙を拭った。

ピピっと鳥が鳴く。

春はもうすぐ───

 

 

<終>

 

藍さまへ


このたびはブログの移転及び再開、おめでとうございます!
藍さんの書かれる絵、私はサークルの展示で知ったのですが、一目見てハートを打ち抜かれました。
高彬も瑠璃も(もちろん他の人たちも)、本当に素敵で、どの絵も食い入るように見てしまいます。
藍さんにいただいた絵は私の宝物です。
ささやかではありますが、ブログ再開のお祝いとしてお話をお贈りいたします。
また絵を書いて下さらないか・・と、いつも藍さんへアンコールの気持ちを持っていた私からの、熱烈なラブレターです。
どうかお納めください。
そして、これからもよろしくお願いいたします。

瑞月より

 

 

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1. 春が待ち遠しいですね♪
藍さん、こんにちは♪

瑞月さんの素敵なお話私もおこぼれに預からせていただきました(*^^*)

春へと近付くこの季節にぴったりのお話ですね。二人のおややが産まれるのも待ち遠しく感じて幸せをお裾分けしてもらった気分です。

そして母さまの瑠璃への手紙にジーンときました。自分が長く生きられないことを知って書いた手紙に込められた想いは瑠璃と高彬にしっかりと届いて二人の子供へと受け継がれていくのでしょうね(^^)

まさにラブ・レターですね!

心温まるお話にほっこりさせていただきました(^-^)v
茜さま
茜さん!こんにちは~!!
お返事が遅くなってごめんなさい。

瑞月さんのお話、本当に素敵ですよね~!!
読んだ時に感動で足が震えましたもの。
ブログを再開してよかったなぁと心から思いました。

母さまの瑠璃への手紙は私も胸を打たれました。
どんな気持ちでこの手紙を書いたのだろうと考えるだけで涙が・・・。
自分が母親になってからはなおのこと、母の子を想う気持ちに激しく感情移入してしまいます。

そして温かく受け止める高彬の優しさにもうもうもう!!!
さすが我らが高彬ですよね~♪

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